オンラインイベントのギャップ 〜人はそれほど自ら選びにいっていない〜
炎天下にエアコンの買い替えで出かけてみたり、帰りに盛りの多い喫茶店のランチを持て余したりして、ぐったりと午睡した日曜日の午後。
技術書典11が始まって2回目の日曜日。
お陰様で新刊はニッチなエンジニアに刺さったのか、適度に出ておりまして、その点では大変ありがたいし、今年の春の時間を全部それに注ぎ込んだので、空振りしなくてよかったな、と安堵しているところです。
で、技術書典11どうなん?
どうなん?とは、盛況なんでしょうかね?という疑問?いや、興味です。
オンラインイベントだと、物理的に混雑とか待機列とか壁サーとか視覚情報が全くないのでよくわかりません(当たり前)。
TLも細切れなので、どの辺のサークルの、どの本が人気があるとかもちょっとわかりにくいです(追っていないというものありますけど)。
運営さんはトラヒックを見ていると思うのでまた違うのでしょうが(わかるのは開催期間後の公式発表までお預け)、サークルとしても、新刊を手に入れたい読者層的にも『ぶっちゃけどうなん?』と思ったりするわけです。
こうしたオンラインイベントとオフラインイベントのギャップは、昨年から1年の経験をしてきたのでわかったつもりなので、だからオフラインに戻そう、なんて考えはしていないです。今日のどうなん?はじゃあ、何が変わったのか、それでひとつの思いつきがあったので、それどう思う?と意見照会してみようかなぁ、と。
人はそれほど自ら選びにいっていない
オフラインイベントって視覚的に入ってくる情報が多いのです。それも『他人』の行動の結果を。何を言っているかというと、オフラインイベント開催日は、早朝からサークル主がTLに『いくぜ』とか、書き込みし始めるし、開場前にどのくらい待機列が並んでいるかとか(なのは完売!)とか、高度な情報戦がすでに始まっているのです。
サークル主だって『設営完了!』とか写真あげて『見たらきてよね!(ツンデレ)』するわけです。
イベントを追いかけていない一般参加者の予備軍も、TL見て『今日大した予定ないしな(いつもだよね、お兄ちゃん!)』とか、知人が行くから言っておくかとかお出掛け巣してたんですね(想像)。
会場につけば、(自分のやっている技術とか聞いたことがある技術とか)知っているものベースで『どれどれ、何か面白いものないかな?』と探すのですが、本能に刺さる目ぼしいものを回っていると、一回りしてみようと回りつつ、壁サーの待機列とか人だかりの島中サークルとかを見かけて、せっかくきたのだし『同人は一期一会だからな』と顔を突っ込むんですね。本能として。
歩いている歩数を占める中での、本能で『欲しいー!!』と主体的に並んでゲットするのは少ないんですよ。
そう、人はそれほど自らの意思で本ピンポイントで買っていないんです(ヒント)。
視覚的で埋められていないギャップ
そう、他人の行動の結果(=他者の欲望)を見て、引き寄せられているんですね。どうです?身に覚えないですか?わたしにはあります(キリッ。
サークル主は、被チェック数があるので『見られている』というが、オフラインイベントに限りあったのですが、オンラインはそれがない。まあ、被チェック数は、サークル主だけなので、一般参加者には公開されないから(技術書典のサークル主はおおっぴろげですけどね)、一般参加者には資格に入らない視覚情報なので除外しておきます。
で、会場特有の視覚情報としての、壁サーの待機列とか人だかりの島中サークルとか、イベントの新刊情報のページの他にあったらいいな、と思ったんですよ。
ぐったりしてた今日の午後に、なんですけどね。
(注意 以降を読む場合は、心のNDAの締結を承諾した方に限ります。このアイデアはの放棄はしません。)
それはさておき、
配置図ってあるじゃないですか。配置図(fig.1)。
オンラインですけど、配置図のページを作って、一般参加者がどのサークルを見ているか人が見ているか、配置図のページにヒートマップぽく濃淡(fig.2)出したら、壁サーの待機列とか人だかりの島中サークルを再現できると思うんですよね。
fig.1
プロ|サークル01|サークル02|サークル03|…|サークル10|
マネ|サークル11|サークル12|サークル13|…|サークル20|
fig.2
プロ|サークル01|サークル02|サークル03|…|サークル10|
マネ|サークル11|サークル12|サークル13|…|サークル20|
電子なら完売はないですけど、紙本も扱うサークルもあるわけで、『紙本完売しました!(fig.3)』がやれるんですよね。
fig.3
プロ|サークル01|サークル02|サークル03|…|サークル10|
マネ|サークル11|サークル12|サークル13|…|サークル20(紙本完売)|
これでどれだけ、視覚的情報の補填ができるかといのはわかりませんが、何もオンラインでオフラインを完コピする必要ないですし、する必要もないです。それじゃ、単なるOA 化なので。それじゃDXじゃない。
ただ、視覚的に情報が減っていて、その欠落した情報がUX的に価値があるなら(あると思っている)、それは何らかの形で実現すべきだし、その体験的価値はあると思うわけです。
体感的に、書籍一覧のサイトって、表紙とタイトル(か、サークル名)で、それもずっと続くので、目が滑るというか、結局自分の関心のあるキーワードしか選ばないんですよ。
それがあるから、無理強いにでも広げようと #推しの技術同人誌 を語るBar(次回は7月24日を予定)をやっているんですけどね。
ある意味、口コミですね。視覚的で強制されない。そう言った情報の提供をすると、体感が変わると思うのです。
そんなことを思いついたので、新刊を書き終えて、ご褒美の晩ご飯を食べて、汗を流した後に綴ってみました。
1時間。