inayamafumitaka’s official diary

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新刊『空想某省向け新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム設計・開発及び運用・保守一式ご提案書ならびに提案解説書』をリリースしました

技術書典11に合わせて、新刊をリリースしました。書籍名は、

『空想某省向け新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム設計・開発及び運用・保守一式ご提案書ならびに提案解説書』

と、たぶん技術書典過去最長の書籍名ではないかと思います。なぜなら、書籍名の登録は『50文字』の制限があり、それを9文字ほど超過しているからです。

その仕様のため、書籍名が提案書になっているのは、ある意味、書籍のメインコンテンツですから、適切な文字列長と言えるかもしれません。

techbookfest.org

 

どの様な内容の書籍ですか

これは某省の調達仕様書および要件提議書を元に書かれた提案書とその提案書の内容についての解説を扱っています。また、提案活動についても取り上げています。

 

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目次

 

どうして提案書を書こうと思ったのですか

少し前、接触確認アプリが実は機能していなくて、さらにアプリの問題をissueされていたのに数ヶ月も放置されていた、など新型コロナウイルスのアプリが話題になりました。

今年の3月まで、現職では新型コロナウイルスの実務責任者を担っており、欧州では先行して利用されていた接触確認アプリについて関心と期待を持っていました。それもあって、リリース後に割とすぐにインストールしていて、ときどき接触情報を見ていたので、前述の問題についても関心を寄せていました。

そうした状況で、調達仕様書や要件提議書を入手し、公開されている情報を整理し、それぞれの立場で意見を述べられていた方がおり、関心もあって読んでいたりしました。

その延長線上で、『もし自分だったらどの様なプロジェクト体制を提案するか』などと思い、調達仕様書や要件提議書を読みはじめた結果がこの本です。

 

どんな提案書になっていますか

要件としてクラウドネイティブなシステムにすることを求められています。そうした用件を踏まえたシステムの提案となっています。

調達名は『新型コロナウイルス感染症等情報把握・管理支援システム設計・開発及び運用・保守一式』ですから、業務管理システムのシステム設計から運用・保守までが提案書の範囲です。

でも、システム設計案から始めるのではなく、このシステムが利用される業務から提案書に記載しています。それは業務を効率良くするための仕組みがシステムだからです。その観点で、業務とシステムの関係性や仕様書では言及されていないシステムを維持するための管理機能も提案しています。

提案書は、業務とシステムの関係、システムの規模、対外システムとの関係、機能と非機能、システム構成、NW構成、適用技術、システム開発手法、プロジェクトマネジメント手法、プロジェクト体制、提出物、前提条件などを記載しています。

 

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提案書は見開き2ページ

一人で書いたのですが

提案書、解説含めワンオペでした。通常、この様な大型案件は、提案チームを編成して対応するものですので、かなりしんどかったですw。

今年の春の時間はこの本に化けました。

提案書を書いて良いことはありましたか

業務的には、クラウドネイティブな適用技術に接することはほぼ無いです。さらっと知っているだけ、一部知っている、そんな状況でした。この提案書を作成するために、awsの機能やマネージドサービスを調べ、思想や考え方、機能などを知る機会になりました。その意味では、知識を大幅にアップデートしています。

一方、これまでSIプロジェクトの提案を数多くして、実務も行ってきた経験で得られた、プラクティスやシステム構成の知見は、クラウドネイティブになっても影響を受けないな、とわかったことです。

例えばAPサーバは論理的には3台立ててクラスタ組むんだなとか、バックアップ方式はアレコレあるはず、やっぱり同じだ、とかです。

などなど、業務から運用までの提案書を書くことは、システム全体を把握して具体化するスキルに良いと思います。

 

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提案書

提案書の心配事はありますか

なにぶん、一人で書いているので、マネージドサービス の配置はこれでいいのかとか、適用技術はこれでいいのかなど、特に技術よりな観点で考慮や知見不足な箇所があるかもしれません。

専門家の方がお読みなったら、ここはこうしたシステムデザインがあるよとか、現実的にはこっちのサービスを使うといいよ、とか具体的にフィードバックをいただけると学びがあるので嬉しいです。

 

最後に一言どうぞ

本書は、プロジェクトマネージャ保護者会と親方さんにレビューをしていただきました。短期間でのレビューとコメントをいただいて、気づいていない誤りや理解しづらい表現もあったので、そうしたフィードバックはありがたかったです。

また、提案しているシステム構成やNW構成は若干心配もあったのですが、まーいいのでは?とリアクションをもらったので少し安堵しています。

改めて、ありがとうございました。

 

本書について、いくつかリアクションがあったので載せておきますね。

 

 

大変読んで楽しいですから、お読みください。